この記事を読むことで、ターミナル操作の基本を理解し、ITサポート業務ですぐに活用できる実践的なコマンドを習得できます。専門用語をできるだけ避け、実際の業務シナリオに即した説明で、ターミナルへの不安を解消し、基本コマンドを自信を持って使えるようになります。
[toc]
1. ターミナルとは?GUI操作との違い
ターミナルの基本概念
ターミナル(コマンドライン)とは、テキストベースでコンピュータに指示を出すインターフェースです。普段使っているマウスやアイコンでの操作(GUI)と違い、キーボードから直接コマンドを入力して操作します。
なぜITプロフェッショナルはターミナルを使うのか?
- 効率性: 複数の操作を素早く実行できる
- 自動化: 繰り返し作業を自動化しやすい
- リモート操作: サーバーなど遠隔地のコンピュータを操作できる
- トラブルシューティング: GUIが動作しない状況でも問題解決ができる
2. ターミナルを開く方法
Windows
- スタートメニュー → 「cmd」または「PowerShell」と検索
- または、Win + R キー → 「cmd」と入力 → Enter
Mac
- アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル
- または、Command + スペース → 「terminal」と入力 → Enter
3. ITサポート業務で必須の基本コマンド10選
1. ディレクトリ操作
cd [フォルダ名] # 指定したフォルダに移動
cd .. # 一つ上のフォルダに戻る
pwd # 現在のフォルダパスを表示(Mac/Linux)
cd # ホームディレクトリに移動
実践例: クライアントのデスクトップにあるログファイルを確認する際、cd Desktop
と入力すればすぐに移動できます。
2. ファイル・フォルダ表示
dir # フォルダ内のファイル一覧表示(Windows)<br>ls # フォルダ内のファイル一覧表示(Mac/Linux)<br>ls -la # 隠しファイルも含めて詳細表示(Mac/Linux)<br>
実践例: システムの隠しファイルも含めて全てのファイルを確認したい時に使います。
3. ファイル・フォルダ作成
mkdir [フォルダ名] # 新しいフォルダを作成
touch [ファイル名] # 空のファイルを作成(Mac/Linux)
type nul > [ファイル名] # 空のファイルを作成(Windows)
実践例: クライアント先でトラブルシューティング用の一時フォルダを素早く作成できます。
4. ファイル内容確認
type [ファイル名] # ファイル内容を表示(Windows)
cat [ファイル名] # ファイル内容を表示(Mac/Linux)
more [ファイル名] # 一画面ずつファイル内容を表示
実践例: ログファイルの内容を素早く確認する際に重宝します。
5. 検索
find [検索文字列] # ファイルを検索(Windows)
grep [検索文字列] [ファイル名] # ファイル内の文字列を検索(Mac/Linux)
findstr [検索文字列] [ファイル名] # ファイル内の文字列を検索(Windows)
実践例: エラーメッセージの特定の文字列をログファイルから探し出せます。
6. ネットワーク診断
ping [ホスト名/IPアドレス] # ネットワーク接続を確認
ipconfig # IPアドレス情報表示(Windows)
ifconfig # IPアドレス情報表示(Mac/Linux)
nslookup [ドメイン名] # DNSの名前解決を確認
実践例: クライアントがウェブサイトに接続できない問題を診断する際、まずping google.com
で接続確認ができます。
7. プロセス管理
tasklist # 実行中のプロセス一覧表示(Windows)
ps aux # 実行中のプロセス一覧表示(Mac/Linux)
taskkill /PID [プロセスID] # プロセスを終了(Windows)
kill [プロセスID] # プロセスを終了(Mac/Linux)
実践例: 応答しないアプリケーションを強制終了する際に使えます。
8. ファイル操作
copy [元ファイル] [先ファイル] # ファイルコピー(Windows)
cp [元ファイル] [先ファイル] # ファイルコピー(Mac/Linux)
move [元] [先] # ファイル移動(Windows)
mv [元] [先] # ファイル移動(Mac/Linux)
del [ファイル名] # ファイル削除(Windows)
rm [ファイル名] # ファイル削除(Mac/Linux)
実践例: バックアップを取る際や、不要ファイルを整理する時に便利です。
9. システム情報確認
systeminfo # システム情報表示(Windows)
uname -a # システム情報表示(Mac/Linux)
実践例: クライアントPCのOS情報やシステム仕様を素早く確認できます。
10. ヘルプ機能
[コマンド名] /? # ヘルプ表示(Windows)
[コマンド名] --help # ヘルプ表示(Mac/Linux)
man [コマンド名] # マニュアル表示(Mac/Linux)
実践例: 使い方を忘れたコマンドの詳細オプションを調べられます。
4. 実践的なITサポートシナリオとコマンド活用法
シナリオ1: ネットワーク接続のトラブルシューティング
ipconfig /all
(Windows)またはifconfig
(Mac/Linux)でネットワーク設定を確認ping 192.168.1.1
(一般的なルーターのIPアドレス)で接続確認ipconfig /release
→ipconfig /renew
(Windows)でIP再取得nslookup google.com
でDNS解決確認
シナリオ2: システム動作が遅い場合の診断
tasklist
(Windows)またはtop
(Mac/Linux)でCPU/メモリ使用率の高いプロセスを確認taskkill /F /IM [プロセス名]
(Windows)で問題のプロセスを終了sfc /scannow
(Windows)でシステムファイルの整合性チェック
シナリオ3: ディスク容量の確認と管理
dir /s
(Windows)またはdu -h
(Mac/Linux)でディスク使用状況を確認del /s /q %temp%\*
(Windows)で一時ファイルを削除cleanmgr
(Windows)でディスククリーンアップツール起動
5. 初心者がよく陥るミスとその回避法
ミス1: コマンド入力ミス
回避策: 上矢印キーで過去のコマンドを呼び出し、修正できます。また、Tabキーで自動補完機能も使えます。
ミス2: 重要ファイルの誤削除
回避策: 削除前にdir [ファイル名]
またはls [ファイル名]
で確認。またdel
やrm
の前にecho
でテスト実行できます。
ミス3: 権限不足によるエラー
回避策: Windows では「管理者として実行」、Mac/Linux ではsudo
コマンドを使用します。
6. ターミナルスキル上達のためのステップアップ計画
初日~1週間目: 基本に慣れる
- 毎日5分でも良いので、
cd
、ls
(またはdir
)、mkdir
を使って操作する - フォルダの移動、内容確認、作成を繰り返し練習
2~3週間目: 実践的な活用
- ネットワークコマンド(
ping
、ipconfig
)を実際の問題解決に使ってみる - 簡単なバッチファイル(
.bat
や.sh
)を作成してみる
1ヶ月目以降: 応用スキルの獲得
- 基本コマンドを組み合わせた操作を覚える
- パイプ(
|
)やリダイレクト(>
)などの機能を学ぶ
7. おすすめの学習リソース
- 公式ドキュメント: Microsoft PowerShell/Cmdのヘルプページ、MacのTerminalユーザーガイド
- オンライン学習サイト: Codecademy、Udemyのコマンドライン入門コース
- 日々の実践: 小さなタスクをあえてターミナルで実行する習慣をつける
8. まとめ:ターミナルスキルがあなたのIT業務を変える
ターミナルの基本コマンドをマスターすることで、ITサポート業務の効率が格段に向上します。この記事で紹介した10の基本コマンドから始めて、徐々に実践的なシナリオに適用していくことで、GUIでは実現できないスピーディーな問題解決が可能になります。
ターミナルを使いこなすことは、単なるスキル以上に、ITプロフェッショナルとしての自信と成長につながります。最初は不安かもしれませんが、小さな成功体験を積み重ねることで、ターミナルは強力な味方になるでしょう。
ぜひ今日から、この記事で紹介したコマンドを一つずつ試してみてください。あなたのITサポートキャリアが大きく変わる第一歩になるはずです。